ごあいさつ


三木山フォルクローレ音楽祭は、毎年5月、兵庫県立三木山森林公園で開催しております。今や全国規模で出演グループが参加していただけるようになりました。
 この音楽祭が始まったきっかけは、1995年の阪神淡路大震災です。未曽有の大被害にあった阪神・淡路地域は自然の驚異に慄いたとともに、物心ともに大きな痛手を受けました。そんな中、県内の中南米音楽愛好家の団体から、フォルクローレ音楽祭の企画が提案されました。建物の崩壊や傷を負った家族など、失ったものは多大でしたが、悲嘆に暮れて戸惑うことなく頑張って立ち直るには、支えあう家族や友達、知人や仲間の心の連携が必要でした。その出会う場所を三木山森林公園が引き受け、実施の運びとなりました。
 1997年5月、知り合いに声を掛け合い集まった、顔なじみのグループで第一回を開催しました。
 現在では沖縄から四国・本州各地、北海道の演奏グループに、来場していただいています。年に一度の開催会場では、毎年出演していただくグループや久しぶりの懐かしいお顔が見えたり、卒業・就職・結婚・子育てや介護、退職の話までが飛び交っています。また初参加で緊張されている方、年々腕を磨かれ難曲を演奏される方など、当会スタッフたちは、皆様の歴史を一緒に歩んでいるような気持ちになります。
 皆様の音楽にかける熱い思いが、当音楽祭を支えていただいていることを、心から感謝しております。思いに応えられるよう、和やかに、そして実直に事務・調整力を充実させていきたいと考えています。今後とも、皆様が集える場として、三木山フォルクローレ音楽祭を育てていただきますよう、お願い申し上げます。
 東日本大震災をはじめ、新潟、熊本など全国に大きな自然災害が発生し、各地で復興を目指して苦闘されています。
 当地であった大震災からは20年余りが経過しましたが、癒えない傷もあります。三木山に来場される時には、日頃の辛いことや悲しいこと、ご苦労は引き出しの奥に入れて、お出かけください。楽しい思い出をカバンいっぱいに詰めて、お持ち帰りいただきたいです。
 末尾になりましたが、皆様の益々のご発展、ご活躍をお祈りしております。

                 平成28年12月吉日    
                  三木山フォルクローレ音楽祭
                     実行委員長 田口 彰 
                     事務局長  網本有紀子